リフォーム後には節税!確定申告でリフォーム所得税控除を受ける方法
住まいのリフォームを行った場合に、要件を満たしていれば確定申告することで所得税控除を受けられます。
「会社が年末調整の手続きをしてくれるから、確定申告をする必要はない」という認識を持っている方は、税金面で損をしているかもしれません。リフォームを行った場合は、忘れずに確定申告を行いましょう。実際に、どれぐらいお得になるのでしょうか?
この記事では、リフォーム所得税控除制度について分かりやすく解説します。
確定申告で利用できるリフォーム所得税控除制度
リフォーム所得税控除制度は「住宅ローン減税」「リフォームローン減税」「投資型減税」の3つに分けられます。
1.住宅ローン減税
住宅ローンを利用して要件を満たすリフォーム工事をした場合は、最長10年間、年末のローン残高の1%分の所得税控除(年間最大控除額40万円)が受けられる制度です。最大控除額は40万円のため、10年間で最大400万円が控除されます。
なお、初年度には確定申告が必要になりますが、2年目以降は確定申告せずに年末調整を行えば、住宅ローン減税制度が適用されるので手続きも楽です。
2.リフォームローン減税
5年以上のリフォームローンを利用して要件を満たす工事をした場合は、確定申告をすれば5年間所得税控除が受けられます。年間最大控除額は12万5,000円なので、5年間で最大62万5,000円が控除されます。
3.投資型減税
リフォーム工事費を現金で支払う人もいます。要件を満たしていれば、確定申告によって1年間、工事費等の10%を控除対象額の上限として、所得税控除が受けられます。
4.その他
リフォームによる優遇措置が受けられる税金は、所得税だけではありません。要件を満たせば、固定資産税・不動産取得税・贈与税なども減税対象となります。節税したい方は、所得税以外の減税制度も把握しておきましょう。
・固定資産税
耐震リフォームやバリアフリーリフォーム、省エネリフォームが対象になります。市区町村に必要書類を提出することで、翌年度の固定資産税額が1/2または1/3程度減額されます。
・登録免許税
一定の質の向上を図るために増改築工事が行われた既存住宅を取得し、そこに住む場合は、家屋の所有権移転登記に対する登録免許税率が0.1%になる優遇措置が受けられます。
・贈与税
リフォーム費用を贈与された場合は、一定の金額まで贈与税は非課税となります。
確定申告で所得税控除が受けられるリフォーム工事
要件を満たすリフォーム工事を行えば、所得税控除が受けられることは理解して頂けたと思います。次に、どのような工事が要件に該当するのか確認していきましょう。
耐震 | バリアフリー | 省エネ | 同居対応 | 長期優良 | その他増改築 | |
住宅ローン減税 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | 〇 |
リフォームローン減税 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
投資型減税 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
耐震リフォーム
1981年以前に建てられた旧耐震基準の住宅を、新耐震基準に適合させるために行う工事です。耐震リフォーム(基礎の補強・壁の補強・構造材腐朽箇所の取り換え・屋根の軽量化)を行うことで、耐震性が増して大地震でも崩壊しない住宅になります。
バリアフリーリフォーム
高齢者が暮らしやすい住居にするために行う工事です。居室の敷居の撤去・スロープの設置・手摺の設置・廊下幅員の拡大・滑りにくい床材への張り替えなどの工事がバリアフリーリフォームに該当します。
省エネリフォーム
床・壁・天井の断熱工事や建具を省エネタイプに交換することで、冷暖房設備の負荷を軽減させるための工事を省エネリフォームといいます。自宅の省エネリフォームを行った場合は、減税制度の対象となります。
三世代同居対応リフォーム
三世代同居対応リフォームとは、三世代の家族が同居して快適に暮らせるように改修工事することをいいます。キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設工事を行えば、リフォームローン減税の対象となります。
長期優良住宅化リフォーム
耐震リフォームや省エネリフォームと併せて耐久性向上のリフォーム工事を行えば、長期優良住宅化リフォームに該当するので減税制度が受けられます。
リフォーム所得税控除制度で節税!確定申告の仕方
リフォームによる所得税控除制度を受けるためには、確定申告しなければいけません。ここでは、確定申告の仕方について解説します。
時期や場所
所得税の確定申告期間は、2月16日~3月15日です。その年によって、日程が少しズレることもあるため、国税庁の公式ホームページで確認してください。住所を管轄する税務署に確定申告書を提出します。
必要書類
確定申告で必要な資料は、下記の通りです。必要書類を揃えて所轄の税務署に提出します。
(必要書類)確定申告書・住宅借入金等特別控除額計算明細書・住民票の写し・住宅取得資金に関わる借入金の年末残高等証明書・登記事項証明書・請負契約書の写し・建築確認済証の写し・給与所得の源泉徴収票
確定申告の流れ
1. 確定申告書をダウンロードして必要事項を記入する
2. 確定申告書と一緒に提出する必要書類を揃える
3. 住所を管轄する税務署に必要書類を提出する。(※1)
(※1)提出方法は、郵送・手渡し・電子報告システム(e-Tax)の3つの方法があります。土日祝は閉庁するため、手渡しや郵送の場合は注意しましょう。
まとめ
この記事では、リフォームの所得税減税制度について解説しました。会社員の方は、会社側が年末調整の手続きを行ってくれるため、確定申告の経験がない人も多いと思います。しかし、所得税を安く抑えることができるので、忘れずに手続きをしましょう。確定申告を忘れてしまうと、所得税控除が受けられません。
また、確定申告方法が分からないという不安を感じる方もいるでしょう。そのような方は、減税制度を使って、お得なリフォーム方法を提案してくれるリフォーム会社に工事を依頼してみてください。