日本一暑い地、岐阜へ!
今回は24日~25日の一泊二日で岐阜県へ研修に行ってきました。
「日本一暑い街!」で有名な多治見市にほど近い、恵那市の工務店、
「金子建築工業」さんの、モデルハウスと建築現場の視察に伺いました。
この辺は、夏は日本最高気温まで上昇し、冬は氷点下10℃になるというとても寒暖の激しい地域です。
私たちの会社のある岡山の県北も、夏は盆地のため暑く冬は氷点下10℃以下になることもしばしば・・・
断熱方法や省エネの力の入れ方にも似たようなものを感じます。
金子建築工業さんも、エアコン一台で全館冷暖房を可能にした断熱性能の非常に高い住宅をつくられており、
最近導入した最新暖房機器、「床下エアコン」もありました!
さて、金子建築工房さんの家の魅力はずばり、「土壁」!
通常は竹の小舞を使用しますが、金子建築工業さんでは虫害を避けるため、木の小舞を使っています。
70mmと厚めに塗って、土の持つ蓄冷・蓄熱効果を更にアップさせています。
土壁の外には断熱材を2種類!
この断熱・蓄熱のおかげで、日本一暑い多治見でも40坪の家がエアコン1台でまかなえているそう。
これには、全国から視察に来ている同業者も「ほお~」と感嘆の声。
でも、なぜ今、土壁なのでしょうか??
土は自然素材、小林工業が使っているホタテしっくいなどと同様に、呼吸する素材です。
からだにやさしい住宅を!
・・・しかし理由はそれだけではありませんでした・・・!
金子建築工業さんの本業は実は、ヒノキの植林活動。
この地域のヒノキは「東濃ヒノキ」として全国的にも有名で、
丁寧に手入れをされたヒノキは無節のとても良質な材になり、
「役物柱」として古くから木造住宅の室内に造作用の柱として使われてきました。
小さいけれど、腕の確かな製材所がたくさんあります。ざっと数えても30社以上・・・
しかし近年の住宅の洋風化・和室の衰退により、柱は壁の中に隠れていき、
「役物柱」の需要はどんどんなくなっています。
価格もみるみる下がり、このままでは「役物柱」も地場の小さな製材所もいずれ無くなってしまう。
それを止めるには、東濃ヒノキの役物柱をもっとみんなに使ってほしい。
金子社長は考えました。
また、土壁も同様に衰退を辿っており、
土壁を塗れる左官屋さんや、ドロコン屋さんもみるみる減ってきています。
これでは、日本から土壁もなくなってしまう。
金子社長は、自ら土壁を使った住宅をつくり、モデルとなって、
全国の工務店に土壁の蓄熱性能の良さ、真壁の趣や役物柱のを身を持って体感してもらっているのです。
わたしたちの住む岡山も、ヒノキやスギといった人工林が多い土地です。
特に美作ヒノキは、全国的にも高い評価を得ている良質な木で岡山県産の製材品の代名詞にもなっています。
そのため岡山県下には国産材専門の高い技術を持った製材所が多くあります。
わたしたちの仕事は、お客さまの夢を形に変えることですが、
それだけではありませんでした。
地元の優良な製材所や、職人さんや、地元の質の良い木や、古くから伝わってきた工法を衰退させないことも
わたしたちの大きな役割であると、この研修を通じて改めて感じました!
そういえば、この日研修を終えて帰宅してテレビをつけると、
『本日、岐阜県多治見市にて、今年日本最高気温39.3℃を観測!!』
というニュースが流れました。こんな日に限って・・・強運です。
申し遅れましたが、今日のブログ担当は石田でした。
ああ・・・今日も暑いですね・・・。
みなさん水分補給はしっかりと。熱中症には気をつけましょう(゚゚)!