Eco-Love Letter 第二通目:「シギ・チドリ類の楽園から」
こんにちは!二通目の手紙をKanaが更新いたします
年間、1600万羽のシギ・チドリ類が渡りでこの湿地帯へやってきます。シギ・チドリ類というのは、簡単に言えば、浜辺や干潟なんかで、嘴をつんつんして餌を探しているイメージの海辺に棲む鳥達です。
南米、ニュージーランド、アジアなど、世界各地の暖かい地域で冬を過ごした彼らの中には、繁殖のため、北極圏をめざしてやってくるものもいるのですが、その途中でこのコッパーリバーデルタに寄り、いっぷく。さらに北へ行く渡りと、そこでの繁殖のための力をつけます。
当たり前ですが、生身の体で!
(画像@http://www.portlandbirdobs.org.uk/latest_may2006.htm)
先週、そのコルドバでシギ・チドリ類の調査に加わる機会がありました。繊細で見えにくい、バレーボールのネットのような網を張り、鳥を追い込み、引っかかったのを速くそして丁寧に網からはずし、個体のデータ(身体測定のようなもの)をとったあと、足輪をして、放鳥します。2-3時間で、18羽のアメリカヒバリシギに足輪が付けられました。
たくさんの野生動物がそうであるように、このシギ・チドリ類もまた人間のもたらした急速な変化に対応できず、その生存を脅かされています。
その中でも、世界中で湿地帯が急速に奪われつつあることが大きな問題となっています。カリフォルニア州では、白人の入植当時にあった90%の湿地帯が、現在は農地や埋立地に変えられてしまいました。
開発に追い討ちをかけて、地球の温暖化による水面の上昇が縮小された生息地を、今後さらに小さくし、その影響が出てくることが懸念されています。
彼らは、引き潮になると浅瀬や砂浜にやってきて餌を食べます。
深すぎる水の中では、彼らは十分に餌を捕ることができなくなるかもしれないのです。
また、彼らは渡りの途中、出発地点からゴールまでたどり着くのに、いくつかの湿地帯で休憩しなくてはなりません。(オオソリハシシギは例外!)丁度、私達が高速道路のパーキングエリアで休憩するような感じです。しかし、彼らの違うところは、止まるパーキングエリアが指定されていて、チョイスが無いということ。
例えば、アラスカから南米まで行くのに、何ヶ所か休憩所が必要です。
その通り道にある湿地を1箇所保護するだけでは、意味がありません。
たった一箇所の湿地の開発が、そこで休憩しなければならない、すべての鳥に影響をします。そのため、各国の連携と理解が必要となってきます。
今回の調査によるレポートは、ネット上のデータベースにて世界中の生物学者が共有し、生態調査だけでなく、今後の保護対策のために使われます。アラスカで足輪を付けられた鳥が、東京湾で再確認されることもあります。
地道な活動が、世界規模の大きなプロジェクトへと繋がっていきます。
そして、私達の何気ない日々の生活もきっと、目の前の一瞬一瞬を生きる、渡り鳥達の日々の暮らしと繋がっています。
Peace,
Kana
地域に役立つ会社を目指しています。
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