おじいちゃんの昔話
子供の頃・・・・体が弱かった私はおじいちゃん子で明治38年生まれのおじいちゃんに溺愛されて育ててもらいました。
昨日は岡山県南の赤磐市でリフォーム物件の最終確認に訪問し・・・帰りは和気町のお客様をご訪問してイノスの家の設計打ち合わせに・・・・・・
丁度、お客様のお宅の近く・・・吉井川沿いの史跡「天神山城跡」の前を通過するとおじいちゃんの昔話を思い出しました。
私の祖父は明治38年生まれで、私の子守の傍ら昔話をよくしてくれました。
何でも・・・尋常小学校の修学旅行で岡山市に行ったそうです。おそらく・・・今から90年ほど前の事だと思いますが、美作から吉野川~吉井川と高瀬舟で川を下り和気駅から蒸気機関車で岡山市への旅行だったそうです。
祖父にとってはインディジョーズのような未知の旅行だったことでしょう。
高瀬舟は現在の大型観光バス??大型トラックのイメージ
蒸気機関車はジャンボジェット機?どころかスペースシャトルみたいな乗り物だったことでしょう・・・・・
初めて泊まった旅館のお便所の床が綺麗なタイル張りで便所下駄を履いてタイルの上を歩くなんてもったいなくて・・・・田舎の子供たちは誰一人便所下駄を履かずに素足でトイレを使ったとか・・・・
そして、写真の天神山城跡ですが・・・・一泊二日の修学旅行の帰り道、行き道は高瀬舟でしたが、帰りは和気駅から美作まで約40kmの道のりを徒歩で帰ったそうです。お金持ちの子供2名は人力車の相乗りでしたが・・・貧乏鍛冶屋の長男の祖父は勿論歩き組みです。
和気から6kmくらいでしょうか・・・先生の号令で天神山城跡の川沿いの木陰で岡山市の旅館で調達したお弁当を開いたそうです。
みんな一列で川に向かってお昼です・・・・弁当を開けると見慣れない大根が入っています。大根は炊き合わせだったようですが・・・薄くきった大根には穴が沢山開けてありました。先生の説明では岡山は熱源の木炭が貴重で早く炊けるのに穴を開けて熱が通りやすくしていると言うのです。
一人の子供が・・「先生!!味が変です??」
それじゃあ・・・・って先生も恐る恐る食べてみます・・・すると少し糸を引くではありませんか・・・・そして、今までに食べたことの無い触感!!!!
先生 「この大根は腐っています!!!みんな食べてはいけません!!!」
「捨てなさい!!!早く!!!!」
って事になり・・・みんな揃ってその大根の炊き合わせを川に捨てたそうです。
お祖父ちゃんは90歳まで長生きしてくれましたが・・・この天神山城跡前を私の運転する車で通過するたびにこの話しをしてくれました。
お祖父さん 「先生はあれがレンコンだったと知らなんだんじゃろうなあ~」
今でもここを通ると得意げに話すお祖父ちゃんの笑顔が思い出されます。